三叉神経痛について|元町歯科診療所のコラム

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コラム

三叉神経痛について

—①三叉神経とは

—顔面および口腔の感覚を司る知覚性要素と共に,咀嚼筋群の運動を支配する運動性要素からなる混合神経です.頭蓋内に三叉神経節(半月神経節)を形成し,ここから眼神経(第Ⅰ枝),上顎神経(第Ⅱ枝),下顎神経(第Ⅲ枝)に分岐します.

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第Ⅰ枝:眼神経‥鼻腔,目の角膜,結膜,前頭部皮膚の知覚

第Ⅱ枝:上顎神経‥上歯槽神経(上顎歯肉,上顎洞,上顎の歯髄),眼窩下神経(頬,上唇,鼻翼の皮膚知覚

—第Ⅲ枝:下顎神経‥耳介側頭神経,下歯槽神経(下顎歯肉,下顎の歯髄の知覚),オトガイ神経(オトガイ部皮膚,下唇の知覚),舌神経(舌前2/3の知覚),頬神経

 

 

②三叉神経痛(特発性)とは

概要:三叉神経のうち,1つまたは複数の枝の領域におこる発作性電撃様疼痛です.しばしば特定の部位に触れることで痛みが誘発されるのが特徴で,例えば歯磨きや洗顔,髭剃りなどの刺激をきっかけに誘発されます.

—40歳以上の中高年者に多くみられ,女性に多くみられます.通常は無症状に経過していますが,1日から数日に1回または複数回の発作性疼痛が現れます.発作の間隔は症状の進行とともに短縮します.痛みは片側性に発症し,正中を越えて反対側に広がることはない.好発部位はII,III枝領域です.

—治療:主に抗てんかん薬のカルバマゼピン(テグレトール)をもちいた薬物療法ですが,局所麻酔薬による一時的麻痺,またはアルコールをもちいて神経を固定する神経ブロックが行われることもあります.脳神経外科的な治療が適用される場合があり,主に三叉神経節に近接する血管の減圧を図ることがおこなわれます(Janettaの手術).

 

三叉神経痛には特発性(真性三叉神経痛)と,仮性があり,仮性三叉神経痛では頭蓋内悪性腫瘍や上顎洞炎などの疾患が原因となっていることがあります.そのため,原因疾患の治療が必要になります.当院でも三叉神経痛と診断された患者さんには脳神経外科での頭蓋内精査を依頼するように勧めています.