口腔乾燥症(ドライマウス)について①|元町歯科診療所のコラム

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口腔乾燥症(ドライマウス)について①

ひさびさの更新です.まず,唾液について解説します.

唾液は3つの大唾液腺と小唾液腺から分泌されています.1日の平均分泌量は平均1〜1.5Lとされており,pH6.3〜6.8といわれます.

大唾液腺

①耳下腺

分泌唾液は漿液性 安静時唾液の20%を分泌.分泌速度が早い場合は耳下腺からの唾液分泌が優位で全唾液量の50%をしめる

②顎下腺

分泌唾液は混合性 安静時唾液の約65%を分泌します.

③舌下腺

分泌唾液は粘液性で,安静時の7〜8%を分泌します.

小唾液腺

口唇線,臼歯線,舌腺,頬腺,口蓋腺,舌口蓋腺があり,主に粘液成分を分泌します.安静時唾液の7〜8%を分泌します.

 

余談ですが,顎下腺,小唾液腺の腫瘍の5割,舌下腺の腫瘍では7割が悪性腫瘍といわれており,舌下腺腫瘍はまず癌を疑う必要があります.

唾液の分泌量ですが,加齢により減少するといわれているが,全唾液分泌量において加齢による有意な差は認められないとする報告もあります.最近の研究では安静時の唾液分泌量のみが減少するといわれてます.

性状は99.5%が水分で,残り0.5%が無機成分です.

安静時唾液は交感神経刺激によって生じ,性状は水分がすくなくタンパク質(主にムチン)を多く含む粘性の高い唾液です.一方,刺激時の唾液は副交感神経刺激によって生じ,水分とタンパク質を多く含む唾液です.ストレスのかかる状況では交感神経優位となるため,唾液の粘性が亢進します.いわゆる,「緊張すると口の中が乾く,ベタベタする」のはこのためでもあります.

唾液の役割は以下のようなものがあります.

①口腔内の自浄作用:水分の機械的作用により食物残渣の貯留を防ぐ.

②口腔内の浸潤作用:口唇,舌,口腔粘膜の乾燥を防ぎ,運動や発音を助ける.また,食物を潤滑にして咀嚼,嚥下を助ける.

③味覚の媒体:食物中の味覚物質を溶かし,味覚感覚を助ける.

④消化作用:アミラーゼによりデンプンを消化する.

⑤抗菌作用:リゾチーム,ラクトペルオキシダーゼ,分泌型IgAなどによる.

⑥排泄作用:有害物質に応答し,希釈・無害化する.

⑦緩衝作用:炭酸ー重炭酸緩衝系により,口腔内生理的pHに保つ.う蝕発症と関連が深い.

唾液の分泌低下は舌乳頭の萎縮による舌機能低下や味覚障害,ならびにう蝕と歯周病,口臭などのさまざまな口腔疾患に対するリスク因子の1つとなります.また,最近では逆流性食道炎の発症にも関与するといわれています.